【完】††Rising††
「灰島君、雨の中、お疲れ様。」



「お疲れ様っす。」



おそらく、観客席より後ろから見ていたのだろう。



肩しか濡れていないから、傘をさしてようだ。



「田鍋さん、俺、決めました。」



俺は、真っ直ぐ田鍋さんを見下ろす。



視界の端っこに、俺の言葉に反応した双子の姿が見えた。



俺は、息を吸って自分の心に決めたことを



田鍋さんに向かって話した。



「田鍋さん、俺………












デビューは、しません。」
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