【完】††Rising††
正直、このままバンドを続けたいと思った。
でも、日常を壊したくない。
…ナンデ?
何で俺、今の生活にしがみついてるんだろう。
失うもんなんてなんもないじゃんか。
寧ろ、望んでいたもんが手に入るんじゃないのか?
こいつらと、共に歩めば。
「…俺で良かったら、使って下さい。」
「うん!喜んで。」
差し出された右手を、汗ばんだ手をズボンで拭いて
強く、強く握り返した。
この瞬間から鳴り響き始めたのかもしれない
俺達の、音楽は
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