【完】††Rising††

とにかく教室まではニットでごまかしたが



一歩教室の前に立つと、きっと入ってしまえばこのニットも役立たずになるんだと思えた。



しょうがないからそろっと教室に入る。



しかし目ざとい連中。



「ハイジ〜!今日はニット被っておっしゃれ〜!」



連れ達が群がり始めた。



「おはよーっす。」



「なんだよ!テンション低いじゃん!もしかしてハゲたか?」



連れの一人が黒のニットを剥ぐ。



その瞬間サラっと俺の髪の毛が外に出た。



もちろん、インパクトの強いあのメロンソーダ色。



視界の端にニヤリと笑う美恵が見えた。
< 46 / 271 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop