【完】††Rising††
とにかく教室まではニットでごまかしたが
一歩教室の前に立つと、きっと入ってしまえばこのニットも役立たずになるんだと思えた。
しょうがないからそろっと教室に入る。
しかし目ざとい連中。
「ハイジ〜!今日はニット被っておっしゃれ〜!」
連れ達が群がり始めた。
「おはよーっす。」
「なんだよ!テンション低いじゃん!もしかしてハゲたか?」
連れの一人が黒のニットを剥ぐ。
その瞬間サラっと俺の髪の毛が外に出た。
もちろん、インパクトの強いあのメロンソーダ色。
視界の端にニヤリと笑う美恵が見えた。