【完】††Rising††
今日は美恵と一緒にスタジオへ向かう。



「美恵、歌詞出来たか?」



「ん〜…何となく、イメージはあるんだけどねぇ。」



電車を降り二人で歩きながらの会話。



美恵はスクバからノートを取り出し俺に見せる。



まだ歌詞になっていないその言葉達。



「この、アルビレオって何?」



俺は綺麗な細い文字を指差し尋ねた。



「アルビレオっていうのはある星と星のことを言うの。


地球上からは寄り添って見える星なんだけどね


ホントは何億光年も離れてるっていう、切ない星。」



説明している美恵の愁いを帯びた顔が綺麗だと思えるのは



きっと気のせいでは無いだろう。
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