【完】††Rising††
「「「……。」」」
「ちょっ…黙ってないで、感想言ってよ!」
美恵が慌てた声を出す。
言葉に、出来なかった。
独特の綺麗な想いが溢れたこの歌詞をなんと言い表せばいいのか…
口を開いたのは龍治だった。
言葉じゃなく、綺麗な歌声で美恵の歌詞を。
切なく掠れる龍治の声に、身震いした。
龍治の優しい色気のある高い音が響く。
頭の中に、小さな譜面と音符が形成される。
光の粒のように、ビートが脳裏に刻まれる。
しっとりと、煌めくように…。