【完】††Rising††
夜になり、日が傾いた。
いつもより遅くまでスタジオにいた三人は帰路に着く。
「あ!今日美恵送ってやれねぇんだわ俺ら!」
「は!?」
「ちょっと、野暮用。ハイジ、美恵、送って。」
双子はそう言い足早に帰っていく。
はぁ…しょうがねえな。
「美恵、行くか?」
「へっ?あ、うん。ありがと。」
親父に言付け、俺はバイクを倉庫から取り出す。
「美恵、はい。」
「ん、さんきゅ。」
ヘルメットを被り二人でバイクに乗り込む。
美恵の細腕が俺の腰に遠慮がちに絡まった。