【完】††Rising††
「もう少しだけ、話せねぇか?」



情けないくらい緊張した。



「何?じゃあ、そこの公園で話そっか。」



そんな俺を美恵は可愛いというより綺麗な顔で微笑み



快く頼みを聞いてくれた。



美恵は公園のブランコに座る。



「ハイジも乗りなよ〜!」



「ん、あ…おー。」



久しぶりに乗った木製のブランコ。



持ち手の鎖から錆びた匂いがしてきて懐かしさが込み上げる。



「で、どうしたの?」



美恵は軽くブランコを漕ぎながら尋ねてきた。



俺はスタジオで感じた、あのことを、そっと言った。
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