【完】††Rising††



「お帰り〜太一!」



「た〜だぁいま!!」



俺はエレキギターのアンプを握っている父親に挨拶する。



俺の家庭は父一人子一人。



親父の職業はスタジオとライブハウスの管理人。



俺の住まいはスタジオの2階にあるのだ。



「太一、悪いんだけど、今日から新しく来るバンドの子達のピンチヒッターしてやって!」



「はぁ〜?やだよ。ねみぃし。」



だ〜れが親父の頼みなんか聞くもんか。



「頼むよ〜っそいつら、ドラマーだけが募集中らしくて。」



お小遣やるから!と親父が一言付け足す。



今金ピンチだし…



「わかった。何時から?」




俺はまんまと親父に乗せられたのだ。
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