【完】††Rising††
「龍治と礼治はね、私の兄貴と中学からの友達なの。


8年くらいの友達で、私もその時からの知り合いなんだ。


私がギター始めたのも二人がきっかけだし


…恋を知ったのも、切ない気持ちも、優しい気持ちも


あいつが教えてくれたの…。」



言葉のカケラは涙と共にぽろぽろ落ちる。



「でも、ね?あいつにとって私は妹みたいなもんなの。


だから、前に進みたいの…


諦めたいのに〜っ」



涙の粒は美恵の顔を濡らし綺麗な顔を引き立てる。



俺は、ブランコを降り、美恵の前に屈んだ。



そして、細すぎるその体を



優しく、包み込んだ。
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