【完】††Rising††
約束の時間まで一人でドラムを叩く。



もちろん、音楽をガンガンかけての演奏。



足りねぇ…



まだまだ足りねぇよ!



荒れ狂うくらい、体中で演奏したいんだ。



エイトビートのリズムを刻み込むように



自分を、日常から、非日常へと誘うように



俺は、叩き続けた。



フィニッシュを決め、ぴたっと演奏を止める。



パチパチパチ!



一人きりだった空間に



自分の物じゃない乾いた拍手の音が響く。



まだ荒い息。



クラクラする頭。



俺は、そっと顔を上げた。
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