気まぐれお嬢様にご用心☆
俺は嫌々ながらもいつもの楓の『お願い』に逆らうこともできず、ノコノコと付いて行くハメになった。
「別に女装しなくてもいいのに……結構気に入っていたりして」
楓は頭のてっぺんからつま先まで一通り彼の姿を眺めると苦笑した。
フリフリの薄いピンクスカート、そして胸の辺りに大きなリボンのついた白い半袖のブラウス。翼の服を借りたらしいが……。
「バカ言えっ!お前らと一緒に外出する時は何が起こるか分からないからな!念のためだよ!!念のため!!」
「はいはい。そういうことにしておいてあげるわ」
翼はさっきからずっと黙ったままだった。
これから俺たちが行こうとしている場所……。
そこは……、
小さな墓地。
その中にある一つのお墓。
「お母様のお墓よ」
もしかして……今日は遥おばさんの命日?
そんなことをうっすらと思いながら千晶は二人と一緒に手を合わせる。
墓に供えられた華……。
真っ白で大きな百合が俺たちをこっそりと見ているかのようだった。
「今日も暑くなりそうだ」
太陽がとても高い。
セミの声もさっきよりリアルに感じる。
こんな日は決まって……。
「別に女装しなくてもいいのに……結構気に入っていたりして」
楓は頭のてっぺんからつま先まで一通り彼の姿を眺めると苦笑した。
フリフリの薄いピンクスカート、そして胸の辺りに大きなリボンのついた白い半袖のブラウス。翼の服を借りたらしいが……。
「バカ言えっ!お前らと一緒に外出する時は何が起こるか分からないからな!念のためだよ!!念のため!!」
「はいはい。そういうことにしておいてあげるわ」
翼はさっきからずっと黙ったままだった。
これから俺たちが行こうとしている場所……。
そこは……、
小さな墓地。
その中にある一つのお墓。
「お母様のお墓よ」
もしかして……今日は遥おばさんの命日?
そんなことをうっすらと思いながら千晶は二人と一緒に手を合わせる。
墓に供えられた華……。
真っ白で大きな百合が俺たちをこっそりと見ているかのようだった。
「今日も暑くなりそうだ」
太陽がとても高い。
セミの声もさっきよりリアルに感じる。
こんな日は決まって……。