気まぐれお嬢様にご用心☆
これは『夢』ではない。
『夢』ならどうか覚めて頂きたい。
そんな俺の儚い願いは神様に通じることもなく、
むしろあざ笑うかのように、現実として大きくのし掛かるのだった。
薫……本当に薫なのか?
どうやら彼女は俺にまだ気付いていないらしい。
「千晶、どうしたの?顔が真っ青よ」
まずい……これは非常にまずい。
俺がこんな恰好で女子校なんかに居ることがバレたら……。
「そうだな、席は……とりあえず波柴の隣が空いてるからそこでいいかな」
ぎくっ!なんでよりにもよって俺の隣なんだよぅ~っ!
ってか俺の隣以外にも空いてる席あるだろうがっ!!
「波柴?どこかで聞いたことある名字……」
薫は何かを思い出すような仕草で一歩一歩歩き出す。
「まさかねっ!千晶がこんなとこに居るハズ……な」
逃げも隠れもすることができず薫と目が合う俺。
『って……あんた……もしかして千晶っ?!』
自分の椅子に手をかけて彼女は声を上げた。
「……うん」
俺は頷くことしかできなかった。
女装していても分かるやつには分かるんだ。
と言っても薫と俺は幼馴染みってやつで、幼少の頃はイヤでも四六時中一緒に居たわけただから仕方ない。
それともう一つ。
俺はここへ来る前に薫の告白を断った張本人だったりもする。
『夢』ならどうか覚めて頂きたい。
そんな俺の儚い願いは神様に通じることもなく、
むしろあざ笑うかのように、現実として大きくのし掛かるのだった。
薫……本当に薫なのか?
どうやら彼女は俺にまだ気付いていないらしい。
「千晶、どうしたの?顔が真っ青よ」
まずい……これは非常にまずい。
俺がこんな恰好で女子校なんかに居ることがバレたら……。
「そうだな、席は……とりあえず波柴の隣が空いてるからそこでいいかな」
ぎくっ!なんでよりにもよって俺の隣なんだよぅ~っ!
ってか俺の隣以外にも空いてる席あるだろうがっ!!
「波柴?どこかで聞いたことある名字……」
薫は何かを思い出すような仕草で一歩一歩歩き出す。
「まさかねっ!千晶がこんなとこに居るハズ……な」
逃げも隠れもすることができず薫と目が合う俺。
『って……あんた……もしかして千晶っ?!』
自分の椅子に手をかけて彼女は声を上げた。
「……うん」
俺は頷くことしかできなかった。
女装していても分かるやつには分かるんだ。
と言っても薫と俺は幼馴染みってやつで、幼少の頃はイヤでも四六時中一緒に居たわけただから仕方ない。
それともう一つ。
俺はここへ来る前に薫の告白を断った張本人だったりもする。