気まぐれお嬢様にご用心☆
「……朝言いそびれたんだが、昨日のチョコレートっっ!!あれはなんだっ!ものすごぉ~くっっ!!辛かったんだぞっっっ!!俺を殺す気かっ!しかも夢にまで出てきてうなされて眠れなかったんだからな!」
思い出しただけでまた口の中が辛くなってきたぜ。

「またまた~大袈裟なんだから!あれは『挨拶』代わりよ。それに警告してあげたでしょ、『甘い罠』にはトゲがあるって」

「そんなの分かるかっ!わさびチョコのどこが挨拶代わりだっ!!お前に罪の意識は無いのかっ」
今時、チョコにわさび仕込むなんて小学生でもやらんぞ。

「あら、御免なさい~私、過ぎたことには拘らない性格なの。あなたこそあんまり細かいと嫌われるわよ」

「……お前なぁ~っ!自分のやったことの罪の重さを知れ!恥を知れ!」
その気まぐれはその楽観的な性格からってわけか。


キンコーン……カンコーン……。


「あっ……そろそろ一時間目も終わりか。というわけだから翼の件よろしくっっ!!」

「おっおいっっ!まだ俺は協力するとは言ってねぇぞ」

「じゃあね~!千晶も二時間目はちゃんと授業出なさいよ~」

「ったく……しょーがねぇな」
千晶は足元に落ちていた小さい石ころをこんっと蹴った。
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