婆ちゃんの恋物語
スッと伸びた背筋が、清楚で、品格を感じさせてたんよ。
それは、単に、私の恋心が見せたんやろか。
後ろ姿が、大人っぽくて、なんや、じっと見ながら、歩くのが、恥ずかしいような、嬉しくて、ドキドキするような、目の遣り場に困りながら、家まで、言葉を掛け合う事もなく帰ってん。
崩れかけの玄関に、ついた時、お母さんとお婆ちゃんが、なにやら、バタバタしてた。
「どないしたん?。」
「貯蔵庫を掘ってましたんや。」
「家の下の壕は、狭もうて、大事なもんまで、入れてられへんから、この下を掘りましたや、
そいでも、大工さんみたいに、掘れまへんなあ、板張ったりして、あの大工さん、ほんま、仕事早かったし、しっかり作ってくれましたわ。」
「そら、職人さんや、女が、かなう訳ありまへん。」
子供がスッポリ入れるぐらいの穴を、縁側の前の庭に掘って、食べ物やら、写真に、着物。
今思たら、通帳やお金も、梅干しの壺に入れてたんかもしれへんなあ。
女の勘やったんかなあ。
「僕も手伝います。」
「すんません。後、あれと、あれと、そこのんだけですねん。助かりますわ。」
厚かましい、お母さんやで、嬉しそうに、指差してるわ。
昭雄さんも、帰らなあかんのに、なんや、申し訳なくて。
「助かりましたわ。」
エビス顔のお母さんとお婆ちゃんや。
穴に上に、板を置いて、こんもり土をかけて貰って、ホッとしたんやろなあ。
女ばかりでは、多分今日中には、出来てなかったはずやから。
「お邪魔しました。帰ります。」
初夏の日の長さも、とおに、暮れて、壊れた街灯には、灯がとまらず、時折、薄い火の明かりが、ぽっぽっと見えてた。
それは、単に、私の恋心が見せたんやろか。
後ろ姿が、大人っぽくて、なんや、じっと見ながら、歩くのが、恥ずかしいような、嬉しくて、ドキドキするような、目の遣り場に困りながら、家まで、言葉を掛け合う事もなく帰ってん。
崩れかけの玄関に、ついた時、お母さんとお婆ちゃんが、なにやら、バタバタしてた。
「どないしたん?。」
「貯蔵庫を掘ってましたんや。」
「家の下の壕は、狭もうて、大事なもんまで、入れてられへんから、この下を掘りましたや、
そいでも、大工さんみたいに、掘れまへんなあ、板張ったりして、あの大工さん、ほんま、仕事早かったし、しっかり作ってくれましたわ。」
「そら、職人さんや、女が、かなう訳ありまへん。」
子供がスッポリ入れるぐらいの穴を、縁側の前の庭に掘って、食べ物やら、写真に、着物。
今思たら、通帳やお金も、梅干しの壺に入れてたんかもしれへんなあ。
女の勘やったんかなあ。
「僕も手伝います。」
「すんません。後、あれと、あれと、そこのんだけですねん。助かりますわ。」
厚かましい、お母さんやで、嬉しそうに、指差してるわ。
昭雄さんも、帰らなあかんのに、なんや、申し訳なくて。
「助かりましたわ。」
エビス顔のお母さんとお婆ちゃんや。
穴に上に、板を置いて、こんもり土をかけて貰って、ホッとしたんやろなあ。
女ばかりでは、多分今日中には、出来てなかったはずやから。
「お邪魔しました。帰ります。」
初夏の日の長さも、とおに、暮れて、壊れた街灯には、灯がとまらず、時折、薄い火の明かりが、ぽっぽっと見えてた。