僕らに降る雨


 なのに、あの日は違うかった。

同じ視線で初めて話して、君の目を見て…そしたらね、なんとなくわかったよ。
君と俺は似ているから…
君がその瞳の奥で嘘をついてることを


「どこにも行かないよ、明日も明後日もずっと、また会えるよ」

君の嘘に気づいた時、俺は迷ったよ。
このまま騙されようか、気づいてあげようか…

その嘘は、気づいて欲しい嘘なのかなって…

「バイバイはね、また会うためにあるから…」



 君は、俺と似ていた。
もし俺が嘘をついたなら…、これはきっと気づいちゃいけない嘘だから


「うん、またね」


降り出した雨に濡れた君の頬には涙が流れていた。
でもそれも気づいちゃいけないから…


無理して笑った君の顔の横で、さよならを告げるその手には、たくさんの涙がつまっていたね。
俺はそれを気づいていながら、知らないふりをするしかなかった。


離れていく君を、止めることができなかった…
君の嘘に、気付きながら…


俺は、やっぱり間違っていたのかな?



君と俺は、やっぱり似ていないよ




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