摂食障害~ダイエットに潜む小さな罠~
全て足りない愛情がもたらした事。
いや、確かに親もリュウジも心配してくれていた。
それに気付けなかったから……
心に愛が足りないと勘違いして、埋めるようにまたひたすら食べる。
体を満たしているのは愛じゃなくて、ただの食物だって事に気付けないのは……やっぱり満腹感と一緒にやって来る不思議な高揚感とアドレナリン。
それでも、私は一人で向き合った。
胃だけではなく、嘔吐と共に必要な成分も体外に流出し、最悪死に至るという現実と
病気を告白してしまった事により、今度は過食嘔吐が止められなければもっともっと周りから見放されるんじゃないかって……そんな恐怖感に襲われて。
克服の仕方を読みながら、ゆっくりとその回数は減って行った。
リュウジの転職で、一人になる時間が減った事も良かったのかもしれない。