緑色の背中

「頑張れー」




 隣を見ると、
 花蓮が小声で応援していた。
 
 応援されたって無理だよ。

 本当にヤバイんだってば。

 お腹鳴ったら恥ずかしいよぉ。


 
 中々来ないあたしを、
 先生は軽くキレ気味に呼びかける。




「早く解いて下さい、笹田さん」

「あっ‥はい‥」




 弱々しい声しか出ないあたしを、
 花蓮は隣で笑っていた。

 花蓮‥覚えてなよっ‥


 
 仕方なく席を立ち、
 問題を書かれた黒板に向かう。


 チョークを持ち、
 早く早くと頭の中で計算する。

 出て来た答えを黒板に書くと、
 どうやら正しかったらしく、
 先生が素晴らしいと言いながら拍手した。

 それに合わせて、
 クラスの皆も拍手をする。

 早く座りたいという一心で、
 足早にあたしは自分の席に戻った。




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