「「キミが…」」 (奏&耕一郎)
嶋田 奏
夏の甲子園は……1ヶ月以上も前ぐらいに終わった。
熱かった。
キラキラしていた。
隣にいる滝と一緒に中継を観て、一緒にいつもみたに大騒ぎした。
楽しかった(笑)
一緒に帰るようになったけど――……。
付き合って……
発展なんてしてない。
ただ……隣にいるだけ。
でも……それに安心しきっているアタシがいる。
「コンビニ寄っていい?」
「いいよ」
野球部に入っていて、ずっと坊主だった髪は、卒業するまでずっと坊主らしく風に当たると寒そう。
「あ、新商品!!美味しそう!!」
それを取ると――
「太るぞ」
その言葉に反応して
「うるさい」
ローファーで滝の足を思いっきり踏んだ。
「痛っ…」
「へっざまぁみろ」
「てっめぇ…」
「へへぇーんバカ滝ぃー」
そぅ言ってレジに向かった。
本当はね―――……
普通の恋人同士になりたいんだよ??
やっぱり……アタシには無理なのかな??
そぅ思うと泣けてきて、泣くのを我慢した。