まさかのメイド様!?
拓哉様に話を聞いてもらって、
自分の部屋に戻る途中のことだった。
「…浅倉奈央さん?」
なんとも可愛らしい声。
「…はい?」
そう言って振り返ると、
知らない顔。
「私、藤堂梨里香です。」
こ、こいつかぁ〜!!
可愛いじゃねーか!
ちくしょー!!
「は、初めまして!!」
「…あなた、拓海の彼女さん?」
どう答えればいいのかな。
「えっと…
一応そういう事になってます…」
「…ふーん。」
一気に顔つきが変わった。
「拓海の彼女だから
余程可愛いのかと思いきや、
大したこと無いじゃない。」
な、何ぃー!?
初対面なのに、
いきなりなんなの?
「はあ…」
あたしは呆気に取られてしまった。
「あたし、あなたに負ける気しないわ。」
カッチーン
「あたしだって、
負けないですけど?」
「ふふ、良い度胸ね。
ま、せいぜい頑張りなさい。」