まさかのメイド様!?
「おぶってやるよ。」
「…やだ!」
「ったく。しゃーねーな。」
「わぁっ。」
拓海は、ひょいとあたしの体を持ち上げた。
…これってお姫様抱っこじゃん。
「ばかぁ!」
「ご主人様にバカとはなんだよ!
いいから黙って、じっとしてろ。」
恥ずかしいじゃん。
授業中だったのが不幸中の幸いだけど…
「重いでしょ?ごめんなさい…」
「あぁ。重い」
「じゃあ降ります!」
「嘘だよ。ばーか。」
ム カ つ く ー !!!!
「はい、到着だよ。お姫様。」
「…ありがとう。」
――ガラッ
「失礼しまーす…」
机に置き手紙があった。
『ただいま出張中。
手当ては、セルフサービスです』
セルフサービスって。
救急箱…どこかな。
「ほらよ。そこ座れ。」
あいつが救急箱を持ってきた。
「…ありがとう。」
あたしはボソッと言った。