まさかのメイド様!?


「おぶってやるよ。」


「…やだ!」


「ったく。しゃーねーな。」


「わぁっ。」


拓海は、ひょいとあたしの体を持ち上げた。












…これってお姫様抱っこじゃん。




「ばかぁ!」


「ご主人様にバカとはなんだよ!
いいから黙って、じっとしてろ。」




恥ずかしいじゃん。

授業中だったのが不幸中の幸いだけど…



「重いでしょ?ごめんなさい…」


「あぁ。重い」


「じゃあ降ります!」


「嘘だよ。ばーか。」



ム カ つ く ー !!!!



「はい、到着だよ。お姫様。」


「…ありがとう。」



――ガラッ

「失礼しまーす…」




机に置き手紙があった。



『ただいま出張中。
手当ては、セルフサービスです』



セルフサービスって。

救急箱…どこかな。



「ほらよ。そこ座れ。」

あいつが救急箱を持ってきた。



「…ありがとう。」

あたしはボソッと言った。



< 50 / 131 >

この作品をシェア

pagetop