Street Love【BL】
静かな部屋には、時計の音だけが虚しく響いた。
なにも言わない蓮を思いきって視線を上げる。
すると、広い胸にすっぽりと包み込まれた。
「なんでそんな大事なこと黙ってた……?」
胸に顔を押しつけられてるため、蓮がどんな表情をしてるかわからないが、発せられた声には、確かに怒りのようなものが含まれていた。
「ごめんなさい……」
「謝ることない。ただ……」
「ただ?」
「ちょっと寂しかった」
「うん、ごめん」
「もういいよ。でも、まだ言ってないことあるなら言って?じゃないと柚希のこと、守れないだろ?」
蓮……