Street Love【BL】
「大丈夫?」
「うん……」
「今日はやっぱりやめとく?」
そう言われた途端、いやいやと首を振った。
「蓮が欲しい……」
じっと見つめる。すると、妖艶にアイツは微笑んだ。
「俺も、君が欲しい」
どきんと別の生き物のように心臓が跳ねた。
どきん、どきん、とその音が聞こえたかのように、蓮の手のひらが、服越しに俺の胸に押し当てられた。
「心臓、痛くないか?ずいぶんどきどきしてるけど、大丈夫かな」
大丈夫、と答えたけれど、語尾がかすれてしまっている。
蓮の体がゆっくりと重なる。
窓から零れ落ちる月光が映えて、本当に綺麗なひとだと思った。