Street Love【BL】
蓮side


朝、か……───


隣では柚希がすやすやと可愛らしい寝息をたてて眠っている。初めてのことに無理をさせすぎたかもしれない。しかし柚希の寝顔は、満足感でいっぱいだった。


ふっと笑みが零れ、額に軽く唇を落とす。


それから、一つになった後、柚希に伝えられた過去について思い返していた。


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「俺ね、親といたのは、生まれて一年だけだったんだ」


「たったそれだけか?」


眉根をよせ、顔をしかめる。


「うん。一才の誕生日の日に、孤児院に入れられたらしい……」


孤児院……


「孤児院の人の話だと、俺に添えられていた手紙に、“必ず迎えにくる“って書いてあったらしい。……もう、十五年も待ってるんだけどな……」


そう言い悲しそうに微笑む柚希は、儚く、脆く、今にも消えてしまいそうだった。


「孤児院にいる親が死んだ子たちが羨ましかった。来もしない親を待ち続けるより、亡くなっていたほうが、諦めがつく」








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