Street Love【BL】
蓮side
朝、か……───
隣では柚希がすやすやと可愛らしい寝息をたてて眠っている。初めてのことに無理をさせすぎたかもしれない。しかし柚希の寝顔は、満足感でいっぱいだった。
ふっと笑みが零れ、額に軽く唇を落とす。
それから、一つになった後、柚希に伝えられた過去について思い返していた。
□■□■□■□■□■□■□■
「俺ね、親といたのは、生まれて一年だけだったんだ」
「たったそれだけか?」
眉根をよせ、顔をしかめる。
「うん。一才の誕生日の日に、孤児院に入れられたらしい……」
孤児院……
「孤児院の人の話だと、俺に添えられていた手紙に、“必ず迎えにくる“って書いてあったらしい。……もう、十五年も待ってるんだけどな……」
そう言い悲しそうに微笑む柚希は、儚く、脆く、今にも消えてしまいそうだった。
「孤児院にいる親が死んだ子たちが羨ましかった。来もしない親を待ち続けるより、亡くなっていたほうが、諦めがつく」
朝、か……───
隣では柚希がすやすやと可愛らしい寝息をたてて眠っている。初めてのことに無理をさせすぎたかもしれない。しかし柚希の寝顔は、満足感でいっぱいだった。
ふっと笑みが零れ、額に軽く唇を落とす。
それから、一つになった後、柚希に伝えられた過去について思い返していた。
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「俺ね、親といたのは、生まれて一年だけだったんだ」
「たったそれだけか?」
眉根をよせ、顔をしかめる。
「うん。一才の誕生日の日に、孤児院に入れられたらしい……」
孤児院……
「孤児院の人の話だと、俺に添えられていた手紙に、“必ず迎えにくる“って書いてあったらしい。……もう、十五年も待ってるんだけどな……」
そう言い悲しそうに微笑む柚希は、儚く、脆く、今にも消えてしまいそうだった。
「孤児院にいる親が死んだ子たちが羨ましかった。来もしない親を待ち続けるより、亡くなっていたほうが、諦めがつく」