Street Love【BL】
柚希……
「今でも、両親に会いたいと思ってる?」
そう問うと、悲しそうに口を歪ませた。
「どうだろ……。今じゃ顔も名前も覚えてないし。会ってどうしたいのかも、よくわからないから……」
今にも泣きそうな柚希を力強く抱きしめた。
「俺がそばにいるよ」
心から言えた。今までみたいに上辺だけじゃない、心からの言葉。
柚希は微笑み、スヤスヤと寝息を立て深い眠りについた。
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「柚希、起きて。朝だよ?」
ゆさゆさと体を揺さぶるが、ウーンと唸るだけでなかなか目を醒まさない。
「ゆ~き!!」
「うるしゃい……っ」
ピシャリと手を跳ねられてしまった。
ったく。こうなれば最後の手段だ