キスまでのキョリ
「汐里(シオリ)、高校もう決めたの?」
「ともちゃんは?」
そのころの私の彼氏は鈴木智樹(スズキトモキ)。
私はともちゃんと呼んでいた。
「俺はA大付属高だけど…」
「じゃぁ私もそこにする。」
「バカ言うな。A大付属はかなりレベル高いし、おまえには無理だよ。」
ともちゃんはため息混じりに答えた。
A大付属高は確かにすごくレベルが高い。
学年トップのともちゃんでも難しい高校だ。
「でもともちゃんと離れたくないよ。」
「なら、俺ぐらいの成績とれよ。」
「無理に決まってんじゃん。」
「んじゃ諦めろ。」
ともちゃんはそういって部屋の扉を閉めた。