私が天使だったころ
私は証拠を消すために英紀に体を洗われ、服を着せられると汚れた床の掃除をさせられた。

根性焼きでいっぱいの足を龍河に蹴られる。

「…っ!」

「克也は今店に呼ばれてるらしいから、もうすぐ帰ってくるよ。よかったね、奈々ちゃん」

私が黙っていると、3人は部屋をでていった。


部屋には香水とお酒。そして別の臭いが充満している。
部屋の窓を開けると、その場に座り込んだ。

足が痛い
頬が熱い

でも涙はでなくなっていた。

しばらくして克也が帰ってきた。

克也から私以外の香水の匂いがする。

「ワリイ。急に呼ばれたんだ。龍河大丈夫だったか?英紀が水出買いに行くっていってたけど」

(龍河より私を心配してよ!私レイプされたの…)

「あのねっ…克…」

「ごめんな。今日疲れてんだ。話なら明日きくから」

克也はそういうとすぐにベットにはいってしまった。

怖くて眠ることができない。

克也に会えたら楽になると思ってたのに、逆に苦しくなった。

克也は知らないんだから、仕事で疲れたら寝たくなるのは当たり前だ。
でも私は、それが無性に寂しくてたまらなかった。

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