私が天使だったころ
「お前これどうした…」

克也が足を指さす。足には20個近い根性焼きが出来ている。

「自分でやったのか?」

私は首を振ると克也を強く抱きしめた。

「…昨日…」

「レイプ…されたの…龍河さん達に…」

克也が大きく目を見開いている。

「冗談だろ…?お前…やられたのか?…あいつらに……?」

「…怖かった…辛かった…お願い…いなくならないで…」

克也が強く抱きしめる。

「ごめんな…昨日…辛かったよな…苦しかったよな…傍にいてやれなくてごめんな」

私の肩に水が落ちる。見上げると克也が涙を流していた。今までこんなに泣いた克也を見たことなんてない…。
震える腕に抱きしめられて私は眠りについた…。


それからしばらく克也は仕事にいかなかった。
私が夜中にうなされて起きると一晩中隣で話をしてくれる。

一緒に買い物をして
一緒にテレビをみて
一緒に出掛けて
一緒に眠る…


お互い掛け替えの存在になってきたのは2人が住んで3ヶ月が経った頃だった。
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