私が天使だったころ
「克也?」

お風呂に入ってる克也のもとに行くと湯舟にはいった。

「は?!何だよ!どうした?」

克也が目を泳がせる。

「別に裸みんの初めてじゃないでしょー」

「普通女は恥ずかしがんだろ」

しばらく沈黙が続いた。

「俺でるから!」

克也がシャワーを浴びて出る準備をしだした。

慌てて後ろから抱き着く。

何も考えてはいなかった。でも湯舟から出た克也の背中を見た瞬間に、あのラブホテルでの出来事を思い出した。
それはフラッシュバックのように早く流れる。最後は、あのレイプされた日で終わった。

「克也…抱いて…」

克也は恐る恐る振り向いた。

「何言ってんだよ…お前」

「いいの。わかってる…克也に抱いてほしいの!まだ身体から…あの時の感覚が消えないの!克也が抱いてくれなきゃ私、忘れらんないよっ!」

克也がキスをした。発作をおこしかけてる私を強く抱きしめる。

「わかった…ただ辛くなったら言えよ?」

そう言うと、私の手を引いてベットにつれていこうとする。

「や!ここで抱いて!」

克也は黙って私を抱き上げるとマッサージ用のマットの上に寝かせる。

克也は上に跨がるとキスをしてきた。
優しいキスがだんだん激しくなってくる。

克也の口が私の唇から離れて下に下がっていく。
その口が胸で止まると、克也は胸を舌で舐める。

「んっ…」

体がビクッとしたのがわかった。

喘ぎ声がお風呂に響く…

克也はしばらく私の胸を舐めると、足を開かせた。
そしてそこに軽くキスをする。

そこが水以外のもので濡れてきたのがわかった。

克也が足をM字型にした瞬間、私の頭に龍河の顔が浮かんできた。

体が震えだして心臓が激しく動く。

(怖い!)

「大丈夫か奈々?」

克也が顔を上げる。

「だ、大丈夫だから続けて」

私がそう言うと、克也はまた足の間に顔をいれた。

克也の顔がみれない…。
震えがだんだん激しくなると、克也が離れた。

「やめよう」
私が起き上がると克也が微笑んだ。

「泣いてる女みて勃つ程、ひどい男にはなれねぇよ」

克也はそう言って優しく私を抱きしめた。
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