ふたりのり
「真由!!」
そうだ、さっき確か利乃が何回も話しかけてた、忘れてた
「……利乃」
「…ずっと、いたんだよ、由真。
飛ぶ前から、最初から、ずっといた」
フェンス越しで、二人は話してる
声は全然聞こえないけど、お互い笑顔で話してる
「……そっ、か…」
私は、利乃に対して上の空な返事をした
「…利乃」
「ん?」
「ねえ、私、どうすればいい……」
夢が夢ではなくなる瞬間を、今私は見ているんじゃないだろうか