イケメン☆パーティー
「そっか。
栄転なんだから喜ばしいことなんだろうけど、僕個人としては残念だよ。
短い間だったけど、一緒に客先に行かせてもらってすごく勉強になったから、これからもいろいろ教わりたかったんだけどね」
「ええ……」
「ところで、かりんちゃん、お腹すいてない?」
「え?ええ、まあ」
「夕飯、付き合ってくれる?」
「あ、はい。あたしでよければ……」
あたし達はちょうどホームに入ってきた電車に乗り込み、繁華街に出ることにした。
目の前で揚げてくれる串揚げ屋さんのカウンターに並んで座り、おてふきを使いながら水野さんに聞いた。
「そういえば、美沙子さんはお元気ですか?」
「いや、あれ以来会ってないんだけど……
聞いてない?」
「え?あたしが?
何をですか?」
「最近は舜君とよく飲みに行ってるらしいよ。
彼から聞いてるかと思ったんだけど」