イケメン☆パーティー
あたしは舜の前からさっと皿を取り上げ、残ったもう一つのアジの握りを自分の口に放り込んで言った。
「置きっ放しにしてたからだよ、もったいない。
新鮮なの握ってもらいなよ」
舜は少し驚いたようにしばらくあたしの顔を見つめてから、カウンターの中にいる板前さんを呼んだ。
「すいませーん、大トロとアワビ!」
「あたし、エンガワとハマチ!」
便乗してあたしも叫ぶと、舜はあたしの顔を見てニヤリと笑った。
「なあ、かりん」
「ん?」
「いや、やっぱ、いいや」
「なによ、気になるじゃん」
「俺さ……、諦め悪いかも」
「え?」