イケメン☆パーティー

「今、自分の夢を追いかけようと決心したことは、かりんちゃんにとって大事なチャンスなのかもしれないって僕は思うんだよね。
だから、仕事が忙しいからってためらってちゃ、そのチャンスを逃してしまうんじゃないかな」

「はい」

あたしは神妙に頷いた。


「だけど、会社を辞めることがその答えなのかな?とも思うんだ。
時間、本当にないかな?
僕もね、何年か前に、時間が足りないって愚痴をこぼしてたら、時間は自分で作るもんだって、リーダーに叱られたんだ。
朝、少し早起きする。
電車の通勤時間を使う。
昼食後の休憩時間を使う。
何かと何かの合間のちょっとした時間もバカにできない。
意識すると、案外時間って作れるもんだよ」


あたしはいつしか真剣に水野さんの話を聞いていて、自分の甘さを反省していた。



だから、急に現れた人物が、すぐ近くに来て声をかけてくるまで、まったく気づかなかった。


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