イケメン☆パーティー
「今度はその子を口説いてるのか?」
「あ、大前(おおまえ)さん!」
水野さんがその人物を振り返って、姿勢を正した。
あたしも顔くらいは知っている、水野さんの営業チームの大前リーダーだった。
「お疲れ様です!」
あたしも背筋を伸ばして挨拶した。
話したことはないけど、見るからにエネルギッシュなオーラを発している人だ。
「本当に水野のまわりには可愛い子が集まるなあ。
君、秋山がいたとこの新人の子だろ?
君も水野のファンか?」
「えっ、あの、あたしは……」
あたしが大前さんの迫力に負けてうまく答えられないでいると、水野さんが助け舟を出してくれた。
「違いますよ、大前さん。
ここには僕の方から挨拶に来たんですよ。
彼女のグループには、ABCコーポレーションさんの件でお世話になってるんですから、変なこと言わないで下さい」