イケメン☆パーティー

早めに着いて受付に行くと、すでにそこに受付嬢はいなかった。

『本日の営業は終了しました。御用の方は内線××をお回しください』と小さな看板が電話機の隣に置いてある。

あたしは、少し躊躇しながら受話器に手を伸ばした。

と、その時。


「桜井かりんさん?」

エレベータから降りてきた女性があたしの方へ向かって歩いてきた。

洗練されたスーツを着こなした、キャリア風のあたしより少し年上に見える美人。

「はい」

あたしが返事をすると、その女性はあたしの目の前で止まり、名刺を差し出してきた。

「昨夜お電話した田所です。
行きましょうか」

あたしは、名刺を受け取って確認した。

 遊論社『リリア』編集部
  編集者 田所綾音

昨日電話をくれた女性に間違いない。


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