イケメン☆パーティー
あたしと舜が会社のビルに戻り、自分たちのデスクに戻ろうとしたとき、水野さんとすれ違った。
前を歩く舜にならって、あたしも軽く会釈した。
でも、やはり、視線は合わさないように。
水野さんを見かけると、相変わらず胸が高鳴る。
でも、諦めるって決めたんだから。
あたしは自分に言い聞かせ、水野さんの残像を頭から消去するよう努めた。
「さあ、仕事、仕事!」
口の中でつぶやいたつもりだけど、舜には聞こえたらしい。
「ずいぶんやる気満々じゃん。
でも、今日もそんなにやることないぜ」
うっ、そうだった。
「え?いや、ファイルの整理しなくちゃ」
あたしはさも忙しそうにキャビネットを開け、ファイルをどっさり自分のデスクに積み上げた。
そんなあたしをいぶかしげに見る舜の視線がやけに痛かった。