イケメン☆パーティー
22.新人☆歓迎会
4月に入って満開に咲いた桜を、雨が散らしていたある日の夕方。
定時にあがったあたしと舜は、一緒にエレベーターホールに向かって歩いていた。
「最近毎日、田所さんから電話攻撃だぜ。
もう勘弁してくれって感じ」
「そうなんだ……」
「なあ、何で俺が起業したがってるなんて、田所さんに教えたんだよ。
あの人勝手に盛り上がって、私が秘書をやってあげるぅ、なんて、余計なお世話だっつーの」
「ハハハ……ごめんね。
そんなことになるとは思ってなくて」
「参ったよ」
田所さん、あれからかなり積極的に舜にアプローチしているみたい。
悪い人じゃないと思うんだけど、舜は相変わらず苦手みたい。
舜に悪いことしちゃったかな。
「本当にごめんね」
「まあ、かりんのせいじゃないんだけどさ……」