イケメン☆パーティー


その夜、あたしは大前さんと会社近くのうなぎ屋にいた。


「何でも好きなものをおごる」と言われ、何でもいいって言ったんだけど、大前さんがそれじゃ俺の気がすまない、寿司がいいか、ステーキがいいか、うなぎがいいかと聞くから、うなぎを選んだ。


特上のうな重は、蒲焼がご飯の上にも下にも入っていて、すごく豪華だった。

うなぎはやわらかいし、タレも甘すぎず辛すぎずあたし好みで、最高においしかった。


夢中で食べていると、大前さんに笑われた。

「うまそうに食べるなあ、いい顔だ」

うわっ、恥ずかしい!

でも、ふだんはなかなかこんな贅沢なもの食べられないんだもん。

口の中のご飯を飲み込んだところで箸をおき、肝吸いをひと口飲んで、大前さんを見た。


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