イケメン☆パーティー
「いえ、まだ……」
あたしがそう答えると、大前さんはがっかりした顔でため息をついた。
「なんだよ、せっかくお膳立てしてやったのに水野のやつ、しょうがねえな。
あいつ、今朝、客先直行でさ、まだ顔見てないんだわ。
よし、戻ってきたらとっちめてやる」
あたしは慌てて大前さんを止めた。
「あ、あの、あたし、決めたんです。
もう少ししたら、ちゃんと告白します。
だから、水野さんにはまだ何も言わないでください」
「そうなの?」
「はい、必ず。
約束しますから」
「そっか。
かりんちゃんがそう言うなら、もうおせっかいはやめとくか」
大前さんはそう言って優しく微笑んでくれた。
あたしはそんな大前さんに一礼して、自分のデスクに戻った。
よし、大前さんにも約束したし、新人賞取れたら本当に告白しよう!