イケメン☆パーティー
あたしはまだ夢を見ているのかと、キョロキョロ部屋を見回した。
いつものあたしの部屋だ。
起き上がって鏡を見てみる。
夢じゃないらしい。
いつものあたしがそこには映っていた。
電話の向こうでは、斉藤さんという編集者が、てきぱきと今後の事務手続きなどを話していた。
「……ということなんですが、あの、桜井さん、聞こえてますか?」
「あ、はい!聞こえてます!!」
「で、ですね――……」
あたしは慌ててメモに必要なことを書きつけていった。
「……はい、では、失礼いたします」
あたしはそっと受話器を置いた。
手には賞金や受賞パーティーのこと、デビュー作の手直しの段取りのことなどが細かく書かれたメモが残った。