イケメン☆パーティー

すると、水野さんがあたしに話しかけてきた。

「受賞パーティーっていうのは、どこでどんなことをやるの?」

あたしは編集部から聞いた都内のホテルの名前を挙げた。

「あたしも初めてのことなんで詳しいことはわからないんですけど、ホテルの会場で賞状を頂いて、選考委員の先生方の講評を聞いたり、あとは歓談したりって感じみたいです。
あたしの尊敬するマンガ家先生もいらっしゃるみたいなんで、サインもらってこなきゃって楽しみにしてるんです」

「おいおい、サインって。
かりんだって、マンガ家になるんだろ?
まだまだ素人気分だな」

舜に突っ込まれ、あたしはイーッとにらんだ。

フーンだ、どうせまだまだ素人ですよ!

すると、それを見ていた美沙子さんに笑われてしまった。

「でも、かりんちゃんの晴れ姿、見に行きたかったわ」

美沙子さんがそう言うと、舜が真面目な表情に戻り、首を振った。

「授賞式は、関係者以外は入れないと思いますよ」

「あら、そうなの?」

「ええ、招待状を持っている人しか入れないことになってるはずです」

舜がそう説明すると、水野さんが口を挟んだ。

「ずいぶん詳しいんだね」


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