イケメン☆パーティー

あたしがしぶとく上を見ずにいると、水野さんは声を出して笑い出した。


「かりん、顔上げろよ。
それじゃキスできない」


ぎゃー、どうしよう、もうだめーーーっ!

キスなんて何度も経験あるけど。

ファーストキスなんてもうかなり前だけど。

でも、新しい彼との最初のキスは、いつだって緊張するんだもん。

しかも、こんなふうに予告されちゃったりしたら、ますます緊張するじゃん!

水野さん、意地悪だ!


そんなあたしの心の声が聞こえたのか、それとも単に痺れを切らしたのか、水野さんはあたしの肩に手を掛けて体を少し離し、かがみこんできた。

水野さんの顔がほんの3cmくらいのところまで近づき、そこで止まった。


「かりん」


囁くように名前を呼ばれ、あたしは思わず唾を飲み込んだ。


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