イケメン☆パーティー
フッと笑って、でもまだキスしてこないで、水野さんは続けた。
「俺の名前知ってる?」
不意にそんなことを聞かれ、あたしは水野さんの目を見返した。
知ってるよ、もちろん。
調べたもん、前に。
「水野智裕(みずのともひろ)」
「正解。
でも俺、教えてないよね。
いつから知ってた?」
ううっ、この至近距離でそんなこと聞きますか?
しかも水野さん、いつのまにか一人称、俺になってるし。
なんか、いつもと雰囲気違って、ますますドキドキしちゃうんですけど。
「……ずっと前」
「どうやって知った?」
「……社内メールのアドレス帳で」
「ふうん、でもかりん、俺に社内メールくれたことないよね。
俺も送ったことないし」
ええ、ええ、そうです、その通りです!
その通りだけど、恥ずかしいからもうこれ以上聞かないで!