イケメン☆パーティー

司会が舞台に上がり、授賞式が始まった。

まずは編集長の挨拶、選考委員の先生方の講評のあと、賞状授与が始まった。

各章の授与が済み、最優秀新人賞のあたしの番が来た。


緊張で足が震える。

舞台は簡易的なもので、ほんの20cmくらいの高さだ。

それでも、ふだん人前に立つことなんてないあたしが緊張するには十分だった。

おしゃれして10cmヒールなんて履いてこなきゃよかった。

転ばないように、一歩ずつゆっくりと舞台中央へ進んだ。


プレゼンターは、あたしの尊敬する超有名マンガ家先生だった。

才色兼備の素敵な方。

にっこり微笑まれ、「おめでとう」と賞状とトロフィーを渡された。

「ありがとうございます」

そうひとこと返すのが精一杯。

あたしが賞状とトロフィーを受け取ると、会場は拍手に包まれた。


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