イケメン☆パーティー
「俺、離婚歴があるんだ」
ああ。
「大前さんから聞いたよ」
「うん。
俺も、大前さんからかりんに話したって聞いた。
でも、自分の口からもちゃんと言っておこうと思って」
相変わらず目を閉じたまま智裕は語りだした。
「社会人2年目、24歳の時に結婚して、9ヵ月後に離婚した。
相手は大学時代から付き合ってた彼女。
彼女も短大卒業して仕事に就いてたんだけど、結婚と同時に辞めたんだ。
で、専業主婦になったんだけど、友達も趣味も少ない人でね。
俺も仕事仕事であまり構ってやれなくて。
浮気されちゃってさ。
妊娠したんだ」
えっ?
妊娠?
そこまでは聞いてない。
智裕は淡々と続けた。
「おなかの子が俺と浮気相手とどっちの子かわからなくてね。
彼女、精神的に不安定になっちゃって。
一人にしておけなくて、実家に帰したんだ。
そしたら、向こうでご両親に説得されて堕ろした。
で、ご両親から申し訳ない、離婚してくれって頭を下げられたんだ。
彼女は実家に帰った。
それ以降は音信不通。
彼女のお父さんは地方の有力者でね。
当時住んでいたマンションも向こうのご両親が用意してくれたもので、その部屋を慰謝料代わりに受け取らされた。
でも、そこに住み続ける気になれなくてすぐ引っ越しちゃったけどな」
「そう……」