イケメン☆パーティー

智裕……

嬉しい……

そんなふうに思ってくれてたなんて。


「翌日、大前さんに呼び出されてうなぎ屋に行ったとき、かりんを見て最初に俺が思ったこと、何だったと思う?」



あたしが首をかしげていると、智裕は自嘲的に微笑んだ。

「今度は大前さんがライバルかよ?って」

「ええっ!?」

「一瞬、かりんが大前さんと付き合い始めたのかと誤解した」

あたしは吹き出した。

「まさか」

「ああ、今考えれば、それはないよなって思う。
でもあの時は一瞬そう考えたくらい、俺の頭の中はかりん一色だったってこと」

あたしは嬉しくて顔がにやけるのを止められなかった。

「本郷部長も本当はぶん殴ってやりたかった。
自分が会社組織の一員なのが、本当に悔しかったよ。
あの日、かりんを抱きしめて慰めてやりたかったけど、あの場で本郷部長から守ってやれなかった自分が情けなくて、できなかった」

「そっか……」

智裕、そんなふうに思ってたんだ。


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