イケメン☆パーティー
終業時間が来た。
あたしはバッグを持ち、まだキーボードを打っている舜に、小さな声で「先に出てるね」と声をかけた。
舜が頷くのを見て、あたしは席を立った。
会社の人達にあれこれ詮索されると嫌だから、あまり目立つところで待っていたくないな。
そんな風に思いながら、駅へ向かってゆっくり歩いた。
少し行ってから会社を振り返ると、舜が出て来るのが見えた。
舜にもあたしが見えてるだろう。
駅に向う人たちの邪魔にならないように、あたしは自分の背丈ほどもある植え込みを背に、道端に立ち止まって舜が追い付くのを待つことにした。
すると、舜が女子社員の誰かに呼び止められるのが見えた。
遠目に見てるだけでも、女子社員が舜を誘ってるらしいのがわかった。
ああ、舜ってやっぱりモテるんだなあ。
舜は断ったらしく、女子社員に手を挙げると横道に消えた。