イケメン☆パーティー
「あら、水野くん。
何か不満でもあるのかしら?」
水野さんの囁きは茅島さんにも聞こえていたらしい。
「いえいえ、滅相もない。
美沙子さんに誘って頂けるなんて身に余る光栄です」
冗談めかした息の合ったやりとりに思わず笑ってしまった。
すると、茅島さんも笑いながらあたしに言った。
「かりんちゃんって呼んでいいかしら?
私も美沙子、でいいからね。
私が水野くんを時々呼び出すのは、むさ苦しいおじさん相手ばかりじゃなくて、たまにはイケメンと飲みたくなるからよ。
こんな肩書持ってると気がすすまない接待も多くて」
美沙子さんが、ウンザリといった表情でそう言うので、何だか気の毒になってしまった。
「大変なんですね。
まだ会社入って一年目のあたしがこんなこと言うのおかしいかもしれませんけど、お若いのに社長だなんてすごいですね」
「別にすごいことなんてないのよ。
夢中で働いてたらいつの間にか会社からはみ出しちゃって、自分の会社を作っちゃったってだけなんだから」