イケメン☆パーティー
「コンサルタント会社なんだけど、最近は女性や若い人向けに起業ノウハウの講演の依頼が多いかな」
美沙子さんはグラスのカクテルをひと口飲んで答えた。
「美沙子さんご自身が講演されるんですか?」
舜も自分のグラスをゆったりと傾けながら質問を続けた。
「ううん。
私はもっぱら社長業に専念してるわ。
講演するのはうちの専任のスタッフか、外部の専門家に頼むかどちらかよ」
「へえ」
「注文してくる方は私の経歴を知って、そういう依頼をよこすのかもしれないけど、どうしても私に、という場合以外は私が行くことはないわね」
そこで水野さんが言葉を継いだ。
「美沙子さんは、もともと営業だからね。
講演するよりも、仕事を取ってくる方が得意なんだよ。
それに、大勢の前で話すより、こんなふうに1つのテーブルを囲んで話をする方が好きなんだよ」
「ね?」と美沙子さんを見る水野さんに、美沙子さんはフフッと笑ってみせた。
恋人同士ではないって話だったけど、水野さんと美沙子さん、お互いをよくわかってるって感じで、なんかすごくいい雰囲気だな。