イケメン☆パーティー
12.ジェントル☆イケメン
あたしは水野さんに引っ張られるようにしてバーを出た。
後ろで、舜が立ち上がったのが見えた。
でも、その舜の腕を美沙子さんがつかんで引き止めた。
「ここは水野くんに任せましょ」
美沙子さんはにこやかにあたしに手を振っていた。
エレベーターホールに出たところであたしは水野さんに向き直った。
「あたし、本当に一人で帰れますから、水野さんは戻ってください」
「そういうわけには行かないよ」
水野さんはまったく取り合ってくれない。
しかし、舜ならともかく、水野さんに送ってもらういわれはない。
「本当に大丈夫です。
飲み会とかでこのくらいの時間に帰ったことは何度もありますから」