あの音が聞きたくて

友達ができた喜びと悲しみ

保育園入園から一ヶ月近くが経った。

リオンも保育園の生活に慣れた様子である。

この日も、良子はいつものように、

希美とリオンを保育園まで迎えに行った。

ところが、迎えをまっている、

リオンの様子が明らかにおかしかった。

黙って下を俯いたまま、一言も喋ろうとしない。

「お迎えが来たよ-」
という、先生の声にもほとんど反応しない。

下を向いたまま、歯を食いしばっているようにみえた。

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